子どもたちの検定試験は合否で判断しないで
- けん先生
- 2021年9月23日
- 読了時間: 5分
更新日:2021年12月8日
今、富士見が丘のクラスでは幼児・小学生ともに国連英検ジュニアというリスニングテストの募集を行っています。
他の教室では年末年始くらいに英検ジュニアのテストしますよね!
どのコースがいいですか?とか合格できますか?と多くご相談をいただくので、ここで少しだけ検定試験についてのお話をしたいと思います。
幼児・小学生が受ける「〇〇ジュニアテスト」と呼ばれるものは基本的にリスニング形式なので、幼児さんや小学生でも比較的受験しやすいものになっています。
ただ、このような検定ならではの落とし穴があるので、受験する際にはぜひこの試験の特徴を知っていただきたいなと思います。
合否なんてない
検定試験を受けるとなると「合格できますか?」という質問がとても多いのですが、そもそもこのような検定には合格なんてありません。
私たち大人の世代では、英検5級などのテストを受けてきているので「検定」=「合格・不合格」が普通ですが、今の子どもたちの検定はそうではありません。
国連英検ジュニアでいうと1級、英検ジュニアでは正解率が80%以上を超えると、大人のいう合格ということなんだと思いますが、それは私たちが合格と勝手に呼んでいるだけで、そもそもこのような試験自体に合格という言葉なんてありません。
なので「1級を取れなかった」「80%に達していなかった」ことを残念がる方も多いかと思いますが、まず検定に対する考え方が違います。
「できる」「できない」で判断しない
合否がない理由としては「子どもたちの英語学習をサポートするために作られている検定」というのが大きな理由のひとつです。
「合格」「不合格」で表れると、子どもたちや保護者の意識が「できる」「できない」ということに偏ってしまいます。
子どもたちによっては「リスニングが得意な子」や「リーディングが得意な子」など、特徴や適性が大きく違います。特に幼い頃はこのような特徴の差が顕著にあります。
そのような子たちをリスニングの検定を行い「合格」「不合格」だけで分けてしまうのはあまりに雑です。
では「リーディングが上手だけどリスニングが苦手な子」は英語ができないのかというと、そんなことはありません。このような特徴の子は小学生になってから、単語を覚えたり読んだりすることがとても早い傾向にあります。
「リスニングが上手でない」=「英語が苦手」ではないのです。
特に幼児・小学生で英語に興味を持っている間に、「不合格だったね」「残念だったね」と周りから言われたらどうでしょうか?
子どもたちに英語への苦手意識が芽生えてしまいます。実は小学生以降にグッと能力が伸びる子の成長をとめかねない。
だからこそこのような検定は「良いスコアを取ること」が目的ではなく、「継続的に検定を受けることで子どもたちの成長を促す」ことが最大の目的となります。
どのように検定を活用するか?
長く英会話を続ける中で、必ず学習のたるみがでてきます。
特に小学校3年生あたりになると、周りの子も違う種類の習い事始めたりするので「〇〇ちゃんと同じことがしたい」など、子どもたちの意欲が大きく変わります。
検定試験を定期的に受けることで、次回の検定で良いスコアを目指したり、うまく行かなかった部分を学習の中で意識することで、子どもたちの吸収力やレッスンでの集中力が変わってきます。
このような試験は「成長を確認する」「学習の目標」として活用することがオススメです。
ですので、自分のレベルよりも上のコースを受験することもできます。最初はいいスコアが取れないとしても、年々スコアが上がっていきますので、少しずつ進歩していることが分かりますよね。
ホメポイントがたくさんある!
実はこのような「合否がない試験」はホメポイントがたくさんあります。
子どもたちが思うようにスコアが取れなくても、前回の比較などをすることで子どもたちのがんばりにスポットを当ててあげると、子どもたちとしても意欲が上がります。
「初めての受験(級)でうまくスコアが取れなかった」
⬇︎
「初めてなのにこんなにできたの?すごいね!」
「良いスコア(1級・80%)に達していない」
⬇︎
「前回よりココができるようになったね!」
「この前よりたくさん解けてるね!」
「リーディングの部分が解けていない」
⬇︎
「リスニングはたくさん解けていたね!今年はリーディングを頑張ってみよう!」
合格・不合格にとらわれずに、前回から伸びている部分に目を向けさせてあげてください。
苦手だった部分は「次回までに勉強しようね」とこれからの学習への意識へ変えてあげると子どもたちの学習意欲につながったり、検定試験へのポジティブなイメージへとつながり、中学・高校生になった時にチャレンジにつながっていきます。
最後に
長々と読んでいただいてありがとうございました。このような試験は子どもたちの成長を確認すること、また成長を喜んであげることに使っていただけると大変効果があります。
「良いスコアを取る」ことを目的にせず、子どもたちが少しずつ成長していることをテストを通じて感じていただけると大変嬉しいです。
英語の学習は長い期間に及びます。一時期の「できる」「できない」はあまり意味がありません。大切なことは長く興味を持ち続けることです。
どんなに英会話に対する適性があったとしても、途中で学習をやめる人が多いため、英語を話せる人が多くないのでは?と言われています。それは学校教育などをはじめ、「できる」「できない」という評価基準が少なからず関係しているのではないかと私は思っています。
今後日本は人口減少傾向にあるので、子どもたが私たちの年齢になる頃には外国人労働者が増えるのではないかという予測もあります。今以上に外国語が必要となるかもしれません。
私ももちろんですが、学校、ご家庭でも長期的にサポートしてあげることが大切ではないかと考えています。
ぜひ子どもたちの成長を喜んであげる形としてこのような試験をご利用くださいね。
久しぶりに真面目に書いてしまった。。。
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