子どもたちのアルファベット学習
- けん先生
- 2020年8月21日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年4月23日
先日お母さん方と話していた時に、子どもたちのアルファベットの学習の話になったので、皆様にもちゃんとお伝えしておこうと思います。
アルファベットの名前が言えない!?
子どもたちに急に「L (l)」を見せて、このアルファベットって何ていうの?と聞いてみると、答えられない子もいる。
うちの子は保育園から英語をしているはずなのに・・・。
特に小学校1・2年生ではこんな場面に出くわすかもしれません。
子どもたちの中にはアルファベットソングを歌えば順番で思い出すことも多いのですが、急に途中で出てくるアルファベットを即答できないという場合も結構あります。
これは数字の学習に似ていて、3歳児さんに指を5本見せて、「これ何本?」と聞くと、急には答えられず、1、2、3と順番に数えだす。そんな感じです。
もちろん、慣れてくれば即座に答えられるようになるのですが、子どもたちが字の認識をしっかり始めるのは年中さんくらいで、年長さんでやっと日本語のひらがなやカタカナを読めるようになる。(日本語は絵本などで見慣れているため英語に比べると今まで触れてきた情報量が多い)
じゃあその頃に日常的に見慣れないアルファベットの大文字や小文字の名称を即座に言えるかというと、そこそこ訓練しておかないと難しいわけです。
幼児で英語を学ぶ子どもたちには、文字の認識を促すように教えていて、他の字との違いがわかったり、この字はアルファベットポスターのここにある。ということが視覚的にわかるようにしています。
それに英会話に通っていただいている理由は「アルファベットの名称を覚えるため」ではないと思うので、私としても小学校以降にも使えるようなスキルを教えたい。
フォニックスという指導法
じゃあアルファベットを教えないで、何を教えてるんだ!?
私が幼児クラスから教えているのは「フォニックス」です。
これは英語圏の子どもたちも勉強している読み書きの基本です。
例えば、「A」は(エー)ではなく(ア)、「B」は(ビー)ではなく(ブ)と教えます。
アルファベットの名称ではなくて、アルファベットの音を教えているわけです。
なので、クラスに来ている子どもたちの多くは「A, I, U, E, O」を見せると、「エー、アイ、ユー、イー、オー」とは答えず、「ア、イ、ア、エ、オ」と答えます。
たとえば「B(ビー)」「A(エー)」「G(ジー)」と覚えさせて、「はい、これを繋げるとBAG、 これはバッグと読みます。」・・・・・「は!?」ってなりません?
アルファベットの名称しか習ってない子どもたちからしたら「なんでビー、エー、ジーが繋がるとバッグなの!?」って。
フォニックスでは「B(ブ)」「A(ア)」「G(グ)」と読むので、繋げるとバッグだよ。
この方がしっくり来ますよね。
日本ではアルファベットの名称を最初に覚えるのが当然の習慣になっていて、未だに英会話教室でもその習慣が残っていることもあるようですが、アルファベットの名称を学んでも読めるようにはならないし、名称は小学校でも習うので、幼児から教える必要は特にありません。
私のイギリスの友人もアルファベット名称を知ったのは小学校に入ってからで、その前に音を勉強していたと言っています。
当たり前の習慣といえば、大文字から覚えることもあまり必要ないと思いませんか?
大文字を使う時なんて、文の最初か名前とかしか使わないのに。英文のほとんどは小文字なんですよ?
だから、私の教室では大文字と一緒に小文字も認識できるようにしています。
小学生の読み書きも基本的には小文字から教えています。
フォニックス指導の効果は?
「幼児にはアルファベットの名称を教えて、小学生くらいでフォニックスを教えましょう。」
私も当然のように、こんな指導をしようと教わりました。
でも、その指導で育った子どもたち(小学生)を見ると・・・
3文字の単語を書くだけでもアルファベットの名称が邪魔をして、うまく読めない・書けない。
小学校3年生でやっと3文字・4文字が読めるようになった。
こんな様子を見て来ました。
もっと簡単に早く読めるようにしてあげたい。
そう思って、幼児の最初からフォニックスを教えるように変えました。
基本的にはフォニックスに力を入れて、アルファベットは簡単にしか教えない。
小学校に入っても、基本的にはフォニックスを教えて、アルファベットは軽く触れる程度。
こうしたことによって、今は小学校1年生でも3文字を読める子どもたちが多くなったり、3・4年生になると文を読める子どもたちが増えて来ました。
もちろん、コツを掴むのは時間がかかるのですが、それでもかなり早くなって来た。
アルファベットの名称は焦って教えなくても、小学校で習うわけで、アルファベットの名称を言えても、英会話でその知識を使う場面はあまり多くないのです。(つづりを教えるときくらい)
まとめ
幼児ではアルファベットをほとんど教えていません。
小学生になったときに英語の読み書きが早くできるようになるようにとフォニックスを中心に教えています。
それでも、もちろん子どもたちの成長や特徴は様々なため、子どもたちによって差があります。耳からの情報を取るのが上手な子。目から情報を取るのが上手な子。
みんなそれぞれ一生懸命なので、できるようになったことを見て、ほめてあげてくださいね!
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